いろんなシンデレラの本 発行年1953 川端康成の「シンデレラ姫」(収蔵本より)

いろんなシンデレラの本 発行年1953 川端康成の「シンデレラ姫」(収蔵本より)

「世界童話名作全集(ペロー) シンデレラ姫」

編著者 川端康成
発行者 鶴書房
発行日 昭和28年(1953年) 12月5日
定価 160円
地方売価 165円

川端康成53歳、代表作「雪国」(1935年-1948年)を書き終えた5年後の作品。

英訳が不可能と言われた「雪国」が翻訳出版されたのは1957年、その後、川端の海外での評価が一気に高まります。

そのはざまの時期の「シンデレラ」の仕事。

このとき川端康成は、日本ペンクラブ会長でした。

2010年11月22日

追記

※ 5円高い「地方売価」とは「輸送費」等の経費を加算したもので、当時、本の値段は全国一律ではなかったのです。

川端康成訳のシンデレラの解説について

川端康成は、あとがきに寄せて、こうも書いております。

「古代人がえらいか、近代人がえらいか。」というようなことを説いて、大論争もしました。というのは、そのころの文学界が、ギリシャやローマの作品を、手本にして書いていたため、近代人の優秀を信ずるペローには、かがゆかったからです。

ペローは、そこで、こうした自分の思想を反映した物語をたくさんつくりました。それらが、この本に収めた「シンデレラ姫」や「むかり毛のリケ」などですが

この時代、コンクリートが使われ始めました。ベルサイユ宮殿もほぼ完成しております。建築では目を見張る大変化のあった時代。シャルル・ペローの法律家や建築家としての経験が、過去をよりどころにするアカデミーの会員とは一線を画する、未来志向の視点を与えたのです。川端康成のいう”はがゆさ”から誕生した「シンデレラ物語」。ペローの「シンデレラ物語」は、ペローの人生をも反映した、未来を夢見る物語だったのです。

2016年6月14日

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